有機-無機ハイブリッドとは?

 有機-無機ハイブリッドとは、有機成分と無機成分を分子レベル〜ナノレベルで組み合わせて得られる材料のことです(右図)。

 プラスチックに代表される有機材料は、軽くて加工性に優れ、柔軟性や耐衝撃性もあります。しかし、耐熱性は無機材料に劣ります。一方、シリカやガラスなどの無機材料は、耐久性や耐熱性に優れる反面、重くて衝撃に弱く、製造コストもプラスチックに比べると高くなります。

 有機-無機ハイブリッド材料は、これら両者の長所を取り込み、短所をできるだけ排除した材料であり、様々な機能材料としての利用が期待されています。

 このハイブリッド材料の機能を発現させるためには、有機成分と無機成分の少なくともどちらかのサイズをナノレベル以下にする必要があります。有機材料においては、種々の溶媒に可溶な有機ポリマーが多数存在することからも容易にナノレベルでの分散が可能ですが、無機材料においてはその種類は限られており、多種多様なハイブリッド材料の開発のためには、有機材料だけではなく無機材料の分子設計が重要になります。シルセスキオキサンは有機元素と無機元素からなる元素レベルでのハイブリッドとも言えますが、主鎖骨格はSi-O-Si結合であることから、構造制御可能な無機骨格材料としても位置づけられています。

 有機材料と無機材料のいいとこ取りの「有機-無機ハイブリッド材料」は、例えば無機ガラスでは成形性の問題があり、有機ポリマーでは耐熱性や耐候性で問題が生じている用途(パワー半導体やLEDの封止材等)で、利用が検討されています。

 

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